ここは2045年。
サッカーの試合に誤審はない。
自動車事故は起きない。
もう英語を勉強する必要はない、同時通訳が可能だからだ。
ここは2045年。
作詞、作曲をする人はいない。
Webデザイン?もうとっくにコンピューター任せだ。
掃除、洗濯、料理。家事のすべてを機械がこなす。
美容師なんてもう過去の仕事だ。
ここは2045年。
人間の仕事は人工知能にとって代わった。
人工知能が世界を支配している。
こんにちは、ライターの宮﨑大輔(@JIBURl)です。
果たして、2045年の世界は本当に人工知能に支配されるでしょうか?
「そんなわけない!」って言いたい気持ちはわかりますが、こちらのデータをご覧ください。
2014年に英国デトロイト社は「英国の仕事のうち35%が、今後20年でロボットに置き換えられる可能性がある」と発表しました。
オックスフォード大学の研究報告では、「今後10~20年ほどで、IT化の影響によって米国の702の職業のうち、約半分が失われる可能性がある」と述べています。
引用元:人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの 松尾豊著
実は今から10年後には人間の仕事の一部分はロボットに置き換えられる、という意見があるんですね。
とても興味深いですね~。
そこで今回は最近話題のテーマ「人工知能」について、一緒に考えてみましょう。
人工知能(AI)とは?
まずは、人工知能の意味を正しく理解しましょう。
人工知能とは、簡単にいうと「人間ができることを、ロボットもできるようにする研究」という訳です。
人工知能(じんこうちのう、英: artificial intelligence、AI)とは、人工的にコンピュータ上などで人間と同様の知能を実現させようという試み、或いはそのための一連の基礎技術を指す。
引用元:Wikipedia人工知能
人工知能のイメージといえば、映画ターミネーターやAIでしょう。
人間が開発した人工知能の発達により、人類に危機が及ぶストーリーは世界中で人気。
しかし、本当に人工知能は人類に危機を及ぼすほど発達するのでしょうか?
そして、現状はどうなのでしょう。
すでに実用化済みの人工知能の活用事例
人工知能の活用事例を紹介します。
こうしてみると、人工知能は意外と身近な存在だと感じますね。
01. ゲームを開発する人工知能
インペリアルカレッジ・ロンドン Computational Creativity Group の Michael Cook らは、自らゲームをデザインする人工知能を開発しました。「ANGELINA」と名付けられた人工知能は、ダンジョンのようなゲームを自ら作りだします。さらに、そのゲームをプレーして難しすぎるポイントは難易度を下げ、簡単過ぎるポイントの難易度を上げることにより、クリアできるかできないか、絶妙な設計に仕上げて人間のプレーヤーがハラハラドキドキするような楽しめるステージを生み出すことができるのです。
02. 予定管理アプリ
「Timeful」というアプリはTimefulはカレンダーとタスクリストを統合したようなアプリ。会議などの予定(events)、やるべきこと(to-dos)、ジョギングや英語の勉強、などの習慣化したいこと(habit)の3種類のタスクを入力すると、eventsの合間にto-doやhabitを組み込む提案をしてくれる。
03. ウェブサイト作成
「The Grid」というサービスは、サイトの目的を設定して、画像とテキストをアップロードするだけでサイトが自動的に出来上がる仕組みを提供しています。それも数分という短時間で。
04. ルンバ
ルンバはMITの人工知能研究所所長を務めたロボット工学の権威、Rod Brooks博士の基本設計によるものです。センサーが察知して単純に障害物を避けるだけでなく、部屋の形状や家具の配置の地図を「頭の中」に作成し、無駄の少ない移動法を「考え」、かつ2度と同じところを通過せずに効率よく掃除します。
05. コ ールセンター
IBMが開発している人工知能のワトソンは、既に国内外の銀行や保険会社のコールセンターでの実用化が進んでいる。人工知能が音声認識を行って会話の内容を文字ベースで記録するほか、顧客の声をリアルタイムで解析し、顧客の課題を突き止め、その回答の手助けとなる情報を、オペーレーターの手元に表示する。
06. 人工知能ドクター
人工知能は医療の分野での活躍も期待されている。例えば医学雑誌や最新の論文データ、臨床医療のデータを取り込み、数十万件に及ぶ医学的根拠を学習した人工知能が実現できれば、経験豊富なベテラン医師よりも正確な診断を下せるようになる。
07. 自動運転
人工知能は自動運転にも活用されている。アメリカ合衆国カリフォルニア州にある半導体メーカーのNvidia Corporationは、自動運転の開発プラットフォームを発表している。ディープラーニング技術と画像認識機能と組み合わせる事で、救急車と配送トラックといった車種の違いや、駐車中の自動車が発進しようとしているかどうかを見分けるなど、まるで人間が目で見て判断をしているようなことができる。
08. ロボットPepper
ソフトバンクが開発しているロボット「Pepper(以下ペッパー)」は、人工知能を搭載していることで話題を呼んでいる。ペッパーは感情エンジンと呼ばれる人工知能を搭載しており、人の感情を読み取ることができるため、ユーザーの悲しみに共感したり、喜びを分かち合ったりすることができる。
09. 検索エンジン
インターネットの検索エンジンにも人工知能が活用されている。ウェブサイト内に使用されているキーワードからそのサイトの特徴を認識し、学習する。
10. Amazon倉庫
倉庫でロボットを利用していることで有名なのはAmazonだ。Amazonはロボット「Kiva」を商品の選択と運搬に使用し、人間は集配センターに配置している。作業員が動きまわる必要はなくなり、注文の処理も速くなっている。
11. クレジットカードの不正使用検査
MasterCardやVISAなどの大手カード会社は、AIによる不正使用検知をサービスに含めている。企業が利用できる独立した不正使用検知ソフトウェアソリューションも数多く出回っている。
人工知能の研究に投資が集まり、人工知能ブームに!
ここ数年で、人工知能の研究に世界中から投資が集まっており、人工知能ブームが起きています。
そのキッカケは、「ディープラーニング」という新しいテクノロジーが開発されたこと。
ディープラーニングの開発により、コンピューター自体が物体の特徴を自力で学習することができるようになりました。
これは画期的な技術だったので、一気に人工知能の開発を加速させることができると期待され、人工知能ブームが発生しました。
例えば、以下のような世界的な大企業がこぞって人工知能の開発に着手しています。
・GoogleがDNNリサーチ社とディープ・マインド・テクノロジーズ社を買収
・Facebookも人工知能研究所を設立
・中国最大の検索エンジンを提供するバイドゥ社も、ディープラーニング研究所を設立
・IBMは人工知能ワトソンの事業化に向けて、10億ドルを投資
・日本でもドワンゴがドワンゴ人工知能研究所を設立
参考文献:人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの 松尾豊著
先ほど紹介したとおり、すでに人工知能はある程度実用化され、私たちの暮らしの中に溶け込んでいます。
これからますます研究が進み、人工知能の能力が向上したらどうなるでしょうか?
便利なロボットが重宝され、人間が必要ない世界になるかもしれません。
例えば、一家に一台の人工知能付きロボットがいて、家事をすべてこなしてくれるかもしれません。
子育てや教育だって人工知能任せになるでしょう。
まるで、ドラえもんみたいな存在かも(笑)
引用元:www.softbank.jp
職場に行けば一つの部署に一台は人工知能付きのロボットが働いていて、面倒くさい作業はすべて任せられるかもしれません。
作業は捗りますが、人工知能がいれば社員の半分は必要なくなり、クビになるでしょう。
車の運転もすべて人工知能任せで自動運転。
気分転換のドライブは死語になります(笑)
想像してみると楽しいような、怖いような未来……
さらに、急激な人工知能の進歩に対して、ある問題も心配されています。
人間の仕事がなくなる?2045年問題
「2045年問題」という言葉を聞いたことがありますか?
まるでコンピューターの2000年問題のような言葉ですが、これは人工知能の世界で問題視されていることです。
2045年問題とは、2045年を境に人工知能が人間を上回ってしまうと予測されていること。
先ほど紹介した通り、人の代わりに人工知能を利用したサービスはすでに多く、このままのペースで人工知能の仕事が増えていくと人類の仕事はなくなるとさえ言われています。
人工知能の危険性を懸念する声も
宇宙開発に力を入れる起業家アーロン・マスクでさえも、人工知能の開発には警鐘を鳴らしています。
Hope we’re not just the biological boot loader for digital superintelligence. Unfortunately, that is increasingly probable
— Elon Musk (@elonmusk) 2014, 8月 3
他にも有力な研究者たちが、「人工知能の研究開発には注意が必要」と警告しています。
2015年5月にロンドンで開催された「Zeitgeist 2015」のカンファレンスで、ホーキング博士は今後100年以内に人工知能が人間を超えるだろうと警告しました。人工知能が人類を超えるとき、人工知能に人類と協力する目的を持たせるべき必要があり、また人工知能の開発は人類がコントロールできるように進めるべきだ、とホーキング博士は考えています。加えて、私たちの将来は技術の新興勢力と技術を利用する知恵の争いになる、とホーキング博士は語りました。
最後に:人間がロボットに支配される未来は来るのか?
それでは、最初のテーマ「人間がロボットに支配される未来は来るのか?」に戻しましょう。
みなさんはどのように感じましたか?
果たして本当に人間がロボットに支配される未来は来るのでしょうか。
「単純労働が人工知能付きのロボットに置き換わることで、人間が知的作業に没頭できる」という意見もあります。
知的作業に没頭することができれば、科学の進歩速度がさらに加速し、人類は今まで以上に進化するかもしれません。
しかし、アーロン・マスクが警戒しているように、人工知能の研究は「悪魔を呼び出すこと」になる可能性も捨てきれません……
未来に何が起こるのかは誰にもわかりませんが確かなことは、人工知能の研究がこれからも加速すること。
人工知能という新しいテクノロジーを生かしてネガティブな未来ではなく、ポジティブな未来を作っていきましょう!
人工知能はどんな未来を見据えているのか。
人工知能にできないことをバリューとして人間は身につけなければいけない時代も来るのでしょうか。
果たして人工知能にできないことはあるのか?
受け入れて改善せねばいけない時が来るのかもしれません。
信じるか信じないかはあなた次第です。(コラー)
佐藤 駿 Facebook Twitter
デザインファーム【THE APP BASE株式会社】代表取締役/コワーキングスペース【DEN】管理人/未来の選択肢を共有するWEBマガジン【THINK FUTURE】編集長/欲しいものはつくろう、自分の手で。DIY写真.レシピ共有アプリ【HANDIY】運営
1984年9月27日生まれ。中央工学校建築設計科卒。3姉妹のパパ。
建築業界(現場監督、設計事務所等)→東日本大震災で価値感が大きく変わり、場所に捉われない働き方ができるIT業界へ転身。
起業と同時に東京から長野へUターン。長野でコワーキングスペースDENを始め、地方発の起業家を増やし小さな経済圏を構築、挑戦する人を増やす。
未来の選択肢を共有するWEBマガジン THINK FUTUREで新しいライフスタイルを提供。
スマートフォンアプリのデザインやWEBサービスのUI、UXデザインを主に手がけ、ひいては建築の意匠設計・地域デザイン等、「広義のデザイン(問題を捉える正しい表現を掴む)」と「視覚のデザイン(問題を解決するUI、UXデザイン)」の両面からアプローチするデザインファーム。