ケニアのモバイル送金サービスM-PESAが凄い!現金を持ち歩かない未来が来るかも

FEATURE

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こんにちは、ケニア在住ライターの宮崎(@JIBURl)です。

みなさんは「M-PESA(エムペサ)」を知っていますか?

M-PESAは東アフリカのケニア共和国で大流行しているモバイル送金サービスで、他のアフリカ諸国やヨーロッパでも普及が始まっています。

私はケニアに来るまでM-PESAの存在を知りませんでした。

日本でも株式会社LINEが「LINE PAY(ラインペイ)」というオンライン決済サービスを始めましたが、その利用率はまだまだ低いですよね。

では、なぜケニアではオンライン送金サービスが普及したのでしょうか?

今回はその秘密に迫ります。

モバイル送金・決済サービスとは?

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via:unsplash

そもそも、モバイル送金・決済サービスとは何でしょうか?

モバイル送金・決済サービスとは、銀行口座の代わりに携帯電話を使ってお金のやり取りを可能にするサービスです。

「M-Pesa」のようなモバイル送金サービスは銀行口座を持たなくとも、相手の携帯電話番号宛に送金を行い(店舗やキオスクにお金を預ける)、受信側もその携帯電話を持って、店舗やキオスクに行ってお金を受け取ることができる仕組みである。

引用元:ケニアで成人の74%がモバイル送金を利用

銀行口座を持たない人が多い発展途上国(アジア・中南米・アフリカ)では、モバイル送金・決済サービスが利用されています。

アフリカのモバイル送金サービスM-PESAとは?

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via:Wikipedia

そして、発展途上国のモバイル送金・決済サービスの中でも、高い普及率を誇るのがケニアのM-PESAです。

ケニアのGDPの5割を超える金額がM-PESAを利用して流通している、とは驚きですね。

M-PESAとは、簡単に言うと携帯電話で送金から出金・支払までなんでもできるモバイルマネーサービスです。ケニアでは公共料金や教育費などの支払いから、給料の受け取りまで今やM-PESAで賄われています。にわかに信じがたい話ですが、M-PESAではなんとケニアのGDPの約5割を超える金額が動いています。

引用元:LINE Payのモデルがケニアに!?ケニア人の生活を支えるモバイル送金サービス『M-PESA(エムペサ)』が面白い!

お金の出し入れは街中のどこにでもある代理店(その数70,000軒!)で行え、携帯電話の電波で操作が可能。

そのため、まだまだインターネットが普及していないアフリカでも爆発的に流行しました。

携帯電話のショートメッセージ(SMS)で手続きや本人認証をする送金サービスの名称。Mはモバイルを指し、PESAはスワヒリ語でお金を意味する。実際の現金の出し入れはケニア全土に7万件あるM―PESAの代理店で行う。送金したい人は代理店で現金を渡し、自分の口座に入金する。そのうえで、お金を受け取る人の携帯電話番号と金額をSMSで送信する。受取人は、近くの代理店店舗でSMSの情報を見せてお金を受け取る仕組みだ。銀行がまだ十分に普及していない中、送金やお金の貸し借りが容易になった。金融サービスを得て、女性らが起業するのにも役立っているという。

引用元:女性に起業の機会 ケニアのモバイル送金「エムペサ」 

なぜ、ケニアでM-PESAが普及したのか?

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では、次になぜケニアなのでしょうか?

ケニアは複数の部族が集まってできた多部族国家なのでこれまで部族間の争いが絶えず、結果として部族内の人の結びつきが強くなりました

そして、国の近代化により銀行口座を持っていないマサイ族なども街へ出稼ぎに出るようになり、村の家族へお金を送金する必要が生まれたのです。

この2点がM-PESA成功の理由と考えられています。

ではケニアは他の国よりもどうしてここまでモバイル送金が市民の生活に根付いているのだろうか。それはケニアの風習にあるのではないだろうか。ケニアのようなアフリカ諸国では郷土意識が強く、同じ土地出身や同じ部族の人同士が助け合って生きている。特にケニアではその意識が強いのだろう。

(中略)

このように自分の故郷やその村の人々、同じ部族を大切にするというケニアの人々の習慣が、ケニアでモバイル送金が生活のインフラとして根付いて、他の新興国よりも発展している要因としてあげられると考えられる。地方(故郷)から都会や海外に出稼ぎに出て、お金を稼いだら地方(故郷)の家族や親戚、同郷の部族らに送金をする、その手段としてモバイル送金を活用するというのが日常生活に浸透しているのではないだろうか。

引用元:ケニアで成人の74%がモバイル送金を利用

実際、ケニアで生活しているとM-PESAの文字を見ない日はありません。

ほとんどのレジはM-PESAに対応しているので、スーパーやレストランではM-PESAから支払いができます。

電気代や水道代の支払いもM-PESA払いが可能です。

例えば、私はサファリツアーの代金をM-PESAで振り込みましたが、SMSだけで申し込みとお金のやり取りが完結できて快適でした。

ケニアではM-PESAを使わない人はいない、もはや現金を持ち歩く必要はない」といっても過言ではないほどの普及率です。

日本でもLINE PAYのようなモバイルマネーサービス受け入れられるのか?

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via:LINE PAY

M-PESAは先進国への普及も始まっています。

実際にヨーロッパのルーマニアでサービスが始まりました。

そして先日、ヨーロッパで初めてM-PESAがサービス公開され、EU(ヨーロッパ連合)圏では経済規模の小さいルーマニアが最初の国となりました。最低約0.3(約42円)ユーロから、最大で約9280ユーロ(約130万円)の送金が可能になりました。

ボーダフォン・ディレクターのジョセフさんはこう語っています。

ルーマニアのほとんどの人は携帯電話を持っている。しかし、3分の1以上の人々は通常の銀行取引へのアクセスが無い。M-PESAは、既に1700万人のユーザーがいて、同じようにルーマニアでも人々の生活必需品になることを目指している。

引用元:ケニア発のリバース・イノベーション! モバイル送金サービス「M-PESA(エムペサ)」がルーマニアでもローンチ

では、日本でもLINE PAYのようなモバイルマネーサービスは受け入れられるのでしょうか?

日本が導入するメリットは、クレジットカードや銀行口座がなくても電子取引が可能なこと。

日本でもサービスが開始している「LINE PAY」はまさにM-PESAのモデルの長所を取り入れたサービスといえます。クレジットカードを所持していなくても、個人のアカウントへコンビニや銀行口座などから直接チャージが可能。また、LINEアカウント同士で送金、入出金が可能です。スマホアプリを利用し、インターネット回線を使うところなどはM-PESAと異なり、インフラの整った先進国向けとは言えますが、個人がクレジットカードを利用せずに電子取引を簡単に可能としている点では類似しています。

引用元:日本でも流行る?海外で急成長を続ける電子送金システム「M-PESA」(エムペサ)とは?

少額のお金のやり取りをするなら銀行振り込みやクレジットカード払いよりも、オンラインマネーサービスの方が便利です。

スマホ同士で気軽にお金のやり取りができるようになれば、生活がますます便利になりますね。

クレジットカードが普及している日本ですが、このようなサービスの需要はあるのでしょうか?

例えばこんなケースに需要があると思います。

・ インターネットオークションなどの個人間取引

・ 飲み会の割り勘など、ちょっと他人にお金を渡さなければならないとき

・ フリーランスへの仕事依頼などで少額送金を必要とするとき

・ 単純なお金の貸し借り

従来のやり方は、大口取引には向いていましたが、本当に少額の小口取引には不便さがありました。

引用元:日本でも流行る?海外で急成長を続ける電子送金システム「M-PESA」(エムペサ)とは?

チャットアプリLINEの普及率が高い日本では、一度火が着けば一気にブームになりそうですね。

日常のお金の支払いは、すべてLINE PAY。現金は持ち歩かない」そんな時代がもうすぐ来るかも!?

オンライン送金サービスの今後に目が離せません。


Editors' Voice

送金サービスはお金がらみなので、様々な障壁があったと思うのですが一歩一歩確実に進んでいます。

月末になると銀行やATMに長蛇の列を見ると、ネットバンクなんで使わないんだろう?その待ち時間もコストなのに・・・と思ってしまいます。

気軽に送金できるとなるとまだまだ問題は出てくると思うのですが、一般的になるのを願います。

佐藤 駿
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デザインファーム【THE APP BASE株式会社】代表取締役/コワーキングスペース【DEN】管理人/未来の選択肢を共有するWEBマガジン【THINK FUTURE】編集長/欲しいものはつくろう、自分の手で。DIY写真.レシピ共有アプリ【HANDIY】運営

1984年9月27日生まれ。中央工学校建築設計科卒。3姉妹のパパ。
建築業界(現場監督、設計事務所等)→東日本大震災で価値感が大きく変わり、場所に捉われない働き方ができるIT業界へ転身。
起業と同時に東京から長野へUターン。長野でコワーキングスペースDENを始め、地方発の起業家を増やし小さな経済圏を構築、挑戦する人を増やす。
未来の選択肢を共有するWEBマガジン THINK FUTUREで新しいライフスタイルを提供。
スマートフォンアプリのデザインやWEBサービスのUI、UXデザインを主に手がけ、ひいては建築の意匠設計・地域デザイン等、「広義のデザイン(問題を捉える正しい表現を掴む)」と「視覚のデザイン(問題を解決するUI、UXデザイン)」の両面からアプローチするデザインファーム。