3Dプリンターでオフィスを作る
ちょっと見ただけではわからない(いや、よく見てもわかりそうもない)けど、この建物は「3Dプリンターで作られたオフィス」なのです。
驚くことに、オフィスの椅子やテーブルも3Dプリンタで作られています。
これは、アラブ首長国連邦(UAE)のひとつ、ドバイの政府公式プロジェクトです。
このオフィスの面積は約2000平方フィート(約186平方メートル、約56坪)といっても実感として大きさがわかりませんね。
日本政府の平成20年住宅統計調査によると、一戸建てとしての全国平均坪数は130平方メートル(39坪)3~4LDKの住宅ということです。
それをもとに想像すれば、このオフィスがそれなりに広いことが感じられますね。
超巨大!3Dプリンターの高さは約6メートル
人が活動できる十分な大きさのオフィスをプリントする印刷機は、超巨大で高さ6メートルにもなるそうです。
幾重にも“印刷”を繰り返しできた建設資材を組み立てて、オフィスが出来上がります。
3Dプリント&デジタル製造への移行の時代突入
気の遠くなりそうな作業ですが、プロジェクトチームは3Dプリンタ技術を用いることにより生産時間を50~70%短縮、人件費を50~80%カット、建設廃棄物を30~60%削減すると見込み、それにより生産性の向上以上の経済的利益や持続可能性の高まりを期待できるとしています。
ドバイ、アラブ⾸⻑国連邦(UAE)2015 年7 ⽉1 ⽇PR ニュースワイヤーによるとプロジェクトは、建設・設計部⾨の重要な変⾰である「3D プリントおよびデジタル製造への移⾏」の始まりとなります。
⻑い間、研究所でテストが実施されてきましたが、3D プリント技術は急速な時代の到来となりました。
このプロジェクトは、このスケールで構築され、最初に実⽤された今までで最も先進的な3D プリント構造になります
via:museum of the future
アラブ首長国連邦では、テクノロジー関連のイノベーション戦略を構築していて、このプロジェクトもその一つです。
ビッグプロジェクト、成功すると大きなインパクトを残すことができるためアラブ首長国の首相や副大統領なども協力しています。
世界一高いビル「ブルジュハリファ」の近くに、SFのような世界を
このオフィスは、ドバイの新たなランドマークとして建設される「未来のミュージアム」の本部オフィスとして一時的に使用される予定です。
ドバイの情景模型=2015年3月4日、アラブ首長国連邦・ドバイ(AP)via:sankeibiz
「未来のミュージアム」は、世界一高いビル「ブルジュ・ハリファ」の近くに建設する計画。
まるでSFに出てくるようなリング状の建築で、2017年の開館を目指しているそうです。
ガルガーウィ内閣担当相は、「未来のミュージアム」を「交通、健康、教育などの分野でデザインや技術の未来を描くものとなる」と説明しています。
アラブ首長国連邦では石油資源が枯渇してしまった将来を見据えての戦略ということもあって世界を一歩も二歩もリードしたいということなのでしょう。
3Dプリンタで作られたものというと、なんだか無機質なイメージがしますが、インクの開発によっては、そんなことも克服できるのでしょうか。
Iotとも相性が確実にいい3Dプリンターハウス、実現まであと一歩。
日本でも3Dプリントハウスが実現できる日が来たら、THINK FUTUREでプロデュースしたい!
佐藤 駿 Facebook Twitter
デザインファーム【THE APP BASE株式会社】代表取締役/コワーキングスペース【DEN】管理人/未来の選択肢を共有するWEBマガジン【THINK FUTURE】編集長/欲しいものはつくろう、自分の手で。DIY写真.レシピ共有アプリ【HANDIY】運営
1984年9月27日生まれ。中央工学校建築設計科卒。3姉妹のパパ。
建築業界(現場監督、設計事務所等)→東日本大震災で価値感が大きく変わり、場所に捉われない働き方ができるIT業界へ転身。
起業と同時に東京から長野へUターン。長野でコワーキングスペースDENを始め、地方発の起業家を増やし小さな経済圏を構築、挑戦する人を増やす。
未来の選択肢を共有するWEBマガジン THINK FUTUREで新しいライフスタイルを提供。
スマートフォンアプリのデザインやWEBサービスのUI、UXデザインを主に手がけ、ひいては建築の意匠設計・地域デザイン等、「広義のデザイン(問題を捉える正しい表現を掴む)」と「視覚のデザイン(問題を解決するUI、UXデザイン)」の両面からアプローチするデザインファーム。