移動可能な家
南アメリカを拠点として活躍する若手建築家フィリペ・アサディが設計した、移動可能なプロトタイプ住宅が話題となっています。
目の前に広がる海と田園風景の二つを楽しめる場所で、移動可能で建設時間が最小限のスモールハウスでもあります。
「移動可能」というデザインを施した家はどんな機能を持つのでしょうか?
好きな景色を決めて、家を持ち運ぶ発想
移動可能な家の最大の特徴は、季節によって景観のいいところや、寒い時はあったかいところに移動できるフレキシブルさでしょう。
この絶景を生かし、外観は両サイドをガラスでサンドイッチした形に。
森側からはリビングが海と同化したように見え、海側からは木々が生い茂る様が見えるよう二つの借景が見事に調和しています。
構造材は鉄製で、エクステリア、インテリア、天井、壁、床に松材が使用されており、内部はキッチンとダイニング、リビング、3つのベッドルーム、バスルームとパントリーで構成されています。
住むのに最低限必要な設備を配置したless is moreな設計です。
6時間で設置完了するイノベーション
このモバイルホームは見た目がイケているだけではありません。
4つの同一モジュールで作られおり、1つのモジュールが約20㎡(3.35×6m)で、運搬は警察の護衛なしで可能なサイズになっています。(チリ法律上)
また、これらは配管・造り付家具を含めて工場で作成されており、現場で接続するだけなので現場での作業時間短縮に役立っています。
その為、工場で作成してから4時間かけ運搬し、6時間で据付が完了してしまいます!
建築コストが上がってしまう原因は、現場据え付けのものが非常に多く、人件費ばかりがかかってしまう現状です。
このように、ある程度システム化し合理的にするだけでコストを下げることはいくらでも可能なのです。
カスタマイズ可能。家族構成によって増減できる家
設計したフィリペ・アサディは将来的には、このモバイルホームをオーナー自身で自由にカスタマイズして使えるようにと考えているそうです。
例えば、今は2人の子供の為のベッドルームがありますが、ここを切り離して老後の夫婦だけの家に変えることも可能に。
逆に、1モジュール分増やして、リビングを広くとることも出来るでしょう。
分割して、売買なども気軽に出来るようになれば、持ち家の固定概念に大きく影響するのではないでしょうか?
移住や家族構成の変化に対応し、長く使用できるモバイルホームのこれからの進化が楽しみですね。
PHOTO+Source:archdaily ,inhabitat
THINK FUTUREでもこのような新しい発想のスモールハウスをプロデュース予定です。
施工業者様、不動産業者様、プロダクト関係の皆様、ピンときたらご連絡いただければ幸いです!
日本の住宅に対する概念を少しずらしましょう。
佐藤 駿 Facebook Twitter
デザインファーム【THE APP BASE株式会社】代表取締役/コワーキングスペース【DEN】管理人/未来の選択肢を共有するWEBマガジン【THINK FUTURE】編集長/欲しいものはつくろう、自分の手で。DIY写真.レシピ共有アプリ【HANDIY】運営
1984年9月27日生まれ。中央工学校建築設計科卒。3姉妹のパパ。
建築業界(現場監督、設計事務所等)→東日本大震災で価値感が大きく変わり、場所に捉われない働き方ができるIT業界へ転身。
起業と同時に東京から長野へUターン。長野でコワーキングスペースDENを始め、地方発の起業家を増やし小さな経済圏を構築、挑戦する人を増やす。
未来の選択肢を共有するWEBマガジン THINK FUTUREで新しいライフスタイルを提供。
スマートフォンアプリのデザインやWEBサービスのUI、UXデザインを主に手がけ、ひいては建築の意匠設計・地域デザイン等、「広義のデザイン(問題を捉える正しい表現を掴む)」と「視覚のデザイン(問題を解決するUI、UXデザイン)」の両面からアプローチするデザインファーム。