Pic:inhabitat
「一人」に最適な大きさとは?
イタリア人建築家、レンゾ・ピアノ氏が設計した「一人が衣食住するのに丁度の大きさ」のタイニーハウスを設計しました。
レンゾ・ピアノ氏と言えば、日本人には関西国際空港を設計したとして知られている有名な建築家。
様々な作品を世界中に輩出しています。
“Diogene(ディオゲネス)”と呼ばれるこの小屋は、ドイツのヴァイル・アム・ラインにある、”Vitra Campus”に最近建てられました。
古代ギリシャにいたディオゲネスという哲学者をご存知でしょうか?
酒樽に住んでいたらしく(今でいうホームレス的なことなのでしょうか)樽のディオゲネスと呼ばれていたそうです。
そんな名前を拝借し「Diogene」と名付けられた小屋を建てました。
”Vitra Campus”には、他に安藤忠雄氏のセミナーハウス、ザハ・ハディドの消防署などなど世界的に有名な建築家の建物があります。
Pic:inhabitatPic:inhabitatPic:inhabitat
ミニマリストの為のサイジング
この小屋は、床面積約80スクエアーフィート(約7.5㎡)、ベッド、小さなテーブルと椅子を置くだけのスペースです。
約10年前、ピアノ氏は、ミニマリストのための家の開発計画を始めました。
ピアノ氏は学生時代からこのコンセプトに興味を持っていたそうです。
(時代が彼に追いついたのでしょうか?)
ピアノ氏は、特定のクライアントも持たずにこの計画をスタートさせました。
そして、このコンセプトは最終的に「2m×2mのシェルター“Diogene(ディオゲネス)”」と発展しました。
本当の意味のシェルターではなく、「隠れ家としての小屋」になりました。
エネルギーは自給自足
木製、外装はアルミパネルの覆われています。
内装は、折りたたみ式ソファ、窓の下に折りたたみ式テーブルが備え付けられており、パーティションの後ろには、シャワー、トイレ、小さなキッチンがあります。
自給自足のこの小屋は「太陽光電池パネル」「自然換気装置」「三重構造窓ガラス」「雨水保持タンク」の設備が備えていて、屋根からは自然の光が室内に差しこみ、ソーラーシステムと水の循環システムにより外部から電気を引き込む必要はありません。
まるでApple製品のようにつるんとした外装と室内の作り付けの家具には上質な印象を受けます。
Pic:inhabitat
移動も可能
そして、このシンプルな家はポータブルになっており、トラックに積んで移動させることができます。
小さなオフィスやワークスペースとして、またホテルのコテージとしてなど様々な用途として使用可能だとVitraは提案しています。
“Diogene(ディオゲネス)”は、とても小さく隠れ家として理想的ではありますが、個人と社会の関係性について改めて考えさせられるデザインです。
via:inhabitat
佐藤 駿 Facebook Twitter
デザインファーム【THE APP BASE株式会社】代表取締役/コワーキングスペース【DEN】管理人/未来の選択肢を共有するWEBマガジン【THINK FUTURE】編集長/欲しいものはつくろう、自分の手で。DIY写真.レシピ共有アプリ【HANDIY】運営
1984年9月27日生まれ。中央工学校建築設計科卒。3姉妹のパパ。
建築業界(現場監督、設計事務所等)→東日本大震災で価値感が大きく変わり、場所に捉われない働き方ができるIT業界へ転身。
起業と同時に東京から長野へUターン。長野でコワーキングスペースDENを始め、地方発の起業家を増やし小さな経済圏を構築、挑戦する人を増やす。
未来の選択肢を共有するWEBマガジン THINK FUTUREで新しいライフスタイルを提供。
スマートフォンアプリのデザインやWEBサービスのUI、UXデザインを主に手がけ、ひいては建築の意匠設計・地域デザイン等、「広義のデザイン(問題を捉える正しい表現を掴む)」と「視覚のデザイン(問題を解決するUI、UXデザイン)」の両面からアプローチするデザインファーム。