自然に還る素材で作られた家
アイルランドの北西に位置する小さな村に建てられたこの家は、なんとほとんどの材料が生分解性の材料で作られているという「自然に還る家」となっています。
「家=引き継ぐもの」への疑問
家といえば、「親から子へ引き継がれるもの」という認識がありますよね。
それは住居を引き継ぐだけでなく生活や環境をも引き継ぐことになるので、実は人生において大きな決断となっています。
現代、建てられる家は長年に渡って使われるようなものが主流で、子供が家を引き継ぐことを前提としているものが当然となっています。
しかし、現在の社会では多様な社会問題が増え、「継承」というのは、なかなか難しいことになってきているかもしれません。
放置すれば自然に崩壊し、自然へ還る家
この家を建てたDominic Stevens氏は、引き継ぐ家に疑問を持ち、メンテナンスをせずに10年ほど放置すれば自ずと崩壊し自然へと還る「引き継がない家」を建築しました。
また、土地自体も非常に安い場所を選択し、全てにかかったコストは75000ドル(約900万円)とかなりの低コストとなっています。
「持たない」という選択肢
それは「手放すことを簡単」にし、人生の選択を容易なものにするというもの。
Dominic Stevens氏が選んだ子供に引き継ぐものというのは「自由」という選択肢なのかもしれません。
Via:dwell
Editors’ Voice 佐藤駿
日本で考えると、空き家の問題はどんどん深刻化しています。
人口が減れば、現存している家や新たに建てられる家の母数が大きくなり、家の価値はますます下がってくでしょう。
首都圏のような流動性の高いところでは別だと思うのですが、「地方」の空き家問題は、僕が実際長野に住んでいることから目に見えてわかります。
今回の記事のように、残らない家も選択肢の一つであるように思います。
時代が変われば在り方が変わるものなので、今まで当たり前と思っていた価値観も少し違う角度から見てみると小さな疑問がみつかるはずです。
小さな疑問の解決法を自分なりにどう表現していくか?
個々の様々な表現が新たな光となる時がくるでしょう。
佐藤 駿 Facebook Twitter
デザインファーム【THE APP BASE株式会社】代表取締役/コワーキングスペース【DEN】管理人/未来の選択肢を共有するWEBマガジン【THINK FUTURE】編集長/欲しいものはつくろう、自分の手で。DIY写真.レシピ共有アプリ【HANDIY】運営
1984年9月27日生まれ。中央工学校建築設計科卒。3姉妹のパパ。
建築業界(現場監督、設計事務所等)→東日本大震災で価値感が大きく変わり、場所に捉われない働き方ができるIT業界へ転身。
起業と同時に東京から長野へUターン。長野でコワーキングスペースDENを始め、地方発の起業家を増やし小さな経済圏を構築、挑戦する人を増やす。
未来の選択肢を共有するWEBマガジン THINK FUTUREで新しいライフスタイルを提供。
スマートフォンアプリのデザインやWEBサービスのUI、UXデザインを主に手がけ、ひいては建築の意匠設計・地域デザイン等、「広義のデザイン(問題を捉える正しい表現を掴む)」と「視覚のデザイン(問題を解決するUI、UXデザイン)」の両面からアプローチするデザインファーム。