本のような建物が人々を繋ぐ?隠されたデザイン意図とは

FEATUREHOUSESMALL HOUSE

小さな黒いハコの正体は?

イギリス、ニューマーケットにある河畔の公園から住宅街への入り口に作られた、黒くて四角い小さなハコがあります。

0203photo:Atelier Kastelic Buffey Inc

間隔の違う格子で囲われた小さな小さなハコは、“本の交換所”

「本の交換所」となる建物もブックカバーのような形状に

間隔の狭い格子は目隠しになり、ピッチの広い格子は、中にある本のストックが見えるように配置されていて、まわりの集まる人々を誘っているようにも見えます。

日中は2枚の大きな扉が開かれますが、その姿はブックカバーさながら。

ストーリーポッドに腰掛けて読む子もいれば、持ち出して公園内の芝に座っで読み聞かせる家族連れもいます。

04 06 07photo:Atelier Kastelic Buffey Inc

夜間は扉が閉ざされるものの、内部にはLED照明が設置されているので、格子を通してまわりを照らします。

電源は、屋根に設置されたソーラーパネルによるもの。

08 09photo:Atelier Kastelic Buffey Inc

もちろんこのハコを手に取ることはできませんが、人々にとってランドマークとして機能します。

自然と人々が集まり、コミュニティスペースにもなり、デートの待ち合わせにも最適ですね。

隣接する住宅街に住む人々に、癒しと利便性をもたらすストーリーポッド。

このような取り組みがコミュニティを形成し、人々をつないでいくのでしょう。

Sourse:Atelier Kastelic Buffey Inc


Editors' Voice

「本」から発想して、建物も本のような形状にすること。

この発想から本が持ちうる本来の力を拡張し、人々を繋ぐきっかけになる。

オフラインのものに、「行為のデザイン」を付与することでリアルな交流が生まれるっていいですね〜

佐藤 駿
佐藤 駿
佐藤 駿    Facebook  Twitter

デザインファーム【THE APP BASE株式会社】代表取締役/コワーキングスペース【DEN】管理人/未来の選択肢を共有するWEBマガジン【THINK FUTURE】編集長/欲しいものはつくろう、自分の手で。DIY写真.レシピ共有アプリ【HANDIY】運営

1984年9月27日生まれ。中央工学校建築設計科卒。3姉妹のパパ。
建築業界(現場監督、設計事務所等)→東日本大震災で価値感が大きく変わり、場所に捉われない働き方ができるIT業界へ転身。
起業と同時に東京から長野へUターン。長野でコワーキングスペースDENを始め、地方発の起業家を増やし小さな経済圏を構築、挑戦する人を増やす。
未来の選択肢を共有するWEBマガジン THINK FUTUREで新しいライフスタイルを提供。
スマートフォンアプリのデザインやWEBサービスのUI、UXデザインを主に手がけ、ひいては建築の意匠設計・地域デザイン等、「広義のデザイン(問題を捉える正しい表現を掴む)」と「視覚のデザイン(問題を解決するUI、UXデザイン)」の両面からアプローチするデザインファーム。