【これが21世型テーブル】エアコン消費電力を30パーセント削減可能

FEATUREPRODUCTTECH

zef-climatic-table_view2-970x647-c

環境・エネルギー問題解決の一つ

パリの二人のデザイナーが、たくさんのエネルギーを必要とするエアコンを使わずに室温を一定に保つ理想のオフィステーブルをつくりました。

二人は環境汚染の元凶の一つである「エアコンを使わなくても、空調することのできる良い方法」があると考えました。

「気候問題とエネルギー問題に、家具のレヴェルで取り組むことが可能かどうかを知りたかったのです」と、デザイナーのジャン=セバスチャン・ラグランジュさん。

彼は建築家でエンジニアのラファエル・メナードさんとともに、「Zero Energy Furniture」シリーズの最初の製品を開発しました。

Zero Energy Table」というオフィステーブルです。

ちょっと見ただけでは普通の木製の会議机のよう。

VIA 2015 © photo Colombe Clier

Photo:zef-design

余った熱を吸収→寒くなると放出

メカニズムは簡単にいうと「余剰の熱を吸収し、部屋が再び寒くなると熱を放出する」のです。

tumblr_nlcvzzA5j01uqradho1_500画像3 tumblr_nlczjvZpVm1uqradho1_500画像2Photo:zef-design

オークの天板の下に隠れたアルミニウムの波板の隙間に塗られた蝋状の相転移素材が、室温約22度を超えると軟化し熱を蓄えます。

室温が22度を下回ると蝋が固まりはじめ、蓄えた熱がアルミニウムを通して、放熱されるというわけです。

家具が室温を調整し、消費電力を30%削減可能

エネルギーを使わずに室温を保ち、しかも家具がそれを担っているというのは画期的といえます。

ラグランジュさんによれば、その結果は室温に明確に表れるようで、最適条件下ではエアコンの消費電力を30パーセント削減できるといいます。

もちろん部屋が常時22度以上であるなら無意味です。

温度変化が大きい場合のみとなりますね。

ラグランジェさんとメナードさんは、熱エネルギーを蓄積して放出するという相転移素材の性質を組み込んだ魅力的なテーブルを作り上げたのです。

高温多湿の夏という季節がある日本では、通年を通してこのテーブルが役に立つというわけにはいかないかもしれませんが、このようなコンセプトが、今後エネルギーを使わずに快適に過ごすためのアイディアの素になっていくといいですね。

なお、Zero Energy Tableの販売開始は2015年内を予定しているのだそうです。

Via:zef-design


Editors' Voice

cool!!

佐藤 駿
佐藤 駿
佐藤 駿    Facebook  Twitter

デザインファーム【THE APP BASE株式会社】代表取締役/コワーキングスペース【DEN】管理人/未来の選択肢を共有するWEBマガジン【THINK FUTURE】編集長/欲しいものはつくろう、自分の手で。DIY写真.レシピ共有アプリ【HANDIY】運営

1984年9月27日生まれ。中央工学校建築設計科卒。3姉妹のパパ。
建築業界(現場監督、設計事務所等)→東日本大震災で価値感が大きく変わり、場所に捉われない働き方ができるIT業界へ転身。
起業と同時に東京から長野へUターン。長野でコワーキングスペースDENを始め、地方発の起業家を増やし小さな経済圏を構築、挑戦する人を増やす。
未来の選択肢を共有するWEBマガジン THINK FUTUREで新しいライフスタイルを提供。
スマートフォンアプリのデザインやWEBサービスのUI、UXデザインを主に手がけ、ひいては建築の意匠設計・地域デザイン等、「広義のデザイン(問題を捉える正しい表現を掴む)」と「視覚のデザイン(問題を解決するUI、UXデザイン)」の両面からアプローチするデザインファーム。