エストニアの森に突如現れた「巨大メガホン」の役割とは?

FEATURE

何のため?直径3mもの木製メガホン

人目をひくこの巨大メガホンは“森を聴く”ために作られたそうだ。

エストニアの国土は51%が森林で覆われていて、森のキャビンで夜を過ごすも、レクリエーションエリア内のテントで眠るもすべて自由、つまりタダなのだ。

豊かな自然に囲まれていると言えば聞こえは良いが、とても管理出来る状況ではなく、荒廃しているエリアも少なくないという。

この試みは現代的な建築空間と野生の自然が出会う絶好のチャンスを提供し、国内外を問わず“訪れる人に森の声を聴いて欲しい”という想いの具現化なのである。

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自然の音をより深く聴ける

この巨大なメガホンは、自然の音を増幅するだけでなく腰掛けて休憩したり、小さなイベントのステージとしても利用できる。

なんと巨大メガホンは3個も製作され、お互いに向き合うように配置されている。

中央に立つと、今までは聞こえなかった自然の声や叫びが、サラウンドのように聞こえるのだとか。

さらには“森林の音の豊かさだけでなく、森の沈黙に気付く”という。

見事に“森を聴く”ことに成功したようだ。

文明と自然との新たな共存方法

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発案者は、エストニア芸術大学に通うビルギットとそのクラスメイト達。

森林ライブラリーの概念を定義しようとして、昨年から南エストニアの深い森の中でのワークショップを始め、ビルギットのアイデアを選択することになった。

プロジェクトのパートナーであるエストニア森林管理センターは、熟考のための美しいスペースを提供することに加え、ごく普通のキャンプに冒険という要素を追加できることを喜んでいます。

「屋外で自然を学ぶクラスや、小さな文化イベントを実行するために使用することができ、それは本当に多機能だ」

スケールの大きさにも驚くが、自分たちに何が出来るかという課題に真剣に向き合いひとつの答えに取り組む姿勢が素晴らしい。

文明の発展の裏で自然破壊が進行する国でも、こんな活動が表に出てくれば、文明と自然が共存する道が見えてくるのではないかと思う。

机の上で教科書を読むことが無駄だとは思わないが、学ぶ場所はそこだけではないのではないだろうか。

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Source & photo : contemporist


Editors' Voice

巨大なメガホン3つを向かい合わせて、中央に立つと自然の音が増幅して聞こえるとか、すごいいい発想だと思う。

佐藤 駿
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デザインファーム【THE APP BASE株式会社】代表取締役/コワーキングスペース【DEN】管理人/未来の選択肢を共有するWEBマガジン【THINK FUTURE】編集長/欲しいものはつくろう、自分の手で。DIY写真.レシピ共有アプリ【HANDIY】運営

1984年9月27日生まれ。中央工学校建築設計科卒。3姉妹のパパ。
建築業界(現場監督、設計事務所等)→東日本大震災で価値感が大きく変わり、場所に捉われない働き方ができるIT業界へ転身。
起業と同時に東京から長野へUターン。長野でコワーキングスペースDENを始め、地方発の起業家を増やし小さな経済圏を構築、挑戦する人を増やす。
未来の選択肢を共有するWEBマガジン THINK FUTUREで新しいライフスタイルを提供。
スマートフォンアプリのデザインやWEBサービスのUI、UXデザインを主に手がけ、ひいては建築の意匠設計・地域デザイン等、「広義のデザイン(問題を捉える正しい表現を掴む)」と「視覚のデザイン(問題を解決するUI、UXデザイン)」の両面からアプローチするデザインファーム。