「さなぎ」をイメージした虹色に輝くパビリオン
FEATURE虹色繭玉のようなパビリオン
これは2015年サーペンタイン・ギャラリー・パビリオンでのスペインの建築家Selgascanoの作品です。
彼らは、虫の「さなぎ」をイメージしているということですが、繭玉のような?シャボン玉のような?
見る人によって印象が異なるような幻想的な表現です。
このパビリオンは、フッ素プラスチック織物(ETFE)のシートでできた外側の層、プラスチックリボンの内側の層のダブル構造。
ETFEは「光をよく通す」「衝撃に強い」「軽くて柔らかい」などの特徴を持つ優れもので、このプロジェクトにはピッタリな素材といえそうですね。
建築家によると「パビリオンの空間的性質は、構造物の中でのみ展開していて中を浸している」のだそうです。
蜘蛛の巣のように張り巡らされたプラスチックリボンの色がETFEを介して拡散し、柔らかい光となって降りそそいでいるのでしょう。
人々は歩くたびに 光景が万華鏡のようにクルクルと変わっていき、自分自身を見失うような錯覚をおぼえるかもしれませんね。
回廊は中央会議所やカフェテリアとつながっています。とてもクール!!
サーペンタイン・ギャラリー・パビリオンとは?
ロンドンの「サーペンタイン・パビリオン」といえば、もはや世界でも有数の権威である建築プロジェクトです。
2000年より毎年隣接する草地に夏季限定の仮設カフェ兼休憩所「サーペンタイン・ギャラリー・パビリオン」を一流建築家に依頼して設営し無料で公開されます。
過去に日本人ではSANAAさん、藤本壮介さん 伊東豊雄さんなども設計者に指名されています。
2015年15回目となるサーペンタイン・ギャラリー・パビリオンはスペインの建築家Selgascanoが選ばれました。
以前、THINK FUTUREでSelgascanoの“透明性”を追求した作品を紹介しました。
彼らは、曲線の使い方、色の使い方が特徴的な建築家です。
また、独特の軽さを感じされる建築物は世界的に注目を集めています。
「サーペンタイン・ギャラリー・パビリオン」では“透明性”をテーマに 最先端の技術と材料を厳選するとしており、その思惑は、見事達成したといえるでしょう。
世界のどこかで活躍し続けるパビリオン
最終的に、パビリオンはギャラリーで設置した後、民間の買い手にゆだねられます。
工事費の40パーセントを支援し、残りはスポンサーによって提供されます。
このパビリオン、永久的にどこかで活躍するのです。
次はぼくらの街にやってくるかもしれません。
Via:inhabitat
佐藤 駿 Facebook Twitter
デザインファーム【THE APP BASE株式会社】代表取締役/コワーキングスペース【DEN】管理人/未来の選択肢を共有するWEBマガジン【THINK FUTURE】編集長/欲しいものはつくろう、自分の手で。DIY写真.レシピ共有アプリ【HANDIY】運営
1984年9月27日生まれ。中央工学校建築設計科卒。3姉妹のパパ。
建築業界(現場監督、設計事務所等)→東日本大震災で価値感が大きく変わり、場所に捉われない働き方ができるIT業界へ転身。
起業と同時に東京から長野へUターン。長野でコワーキングスペースDENを始め、地方発の起業家を増やし小さな経済圏を構築、挑戦する人を増やす。
未来の選択肢を共有するWEBマガジン THINK FUTUREで新しいライフスタイルを提供。
スマートフォンアプリのデザインやWEBサービスのUI、UXデザインを主に手がけ、ひいては建築の意匠設計・地域デザイン等、「広義のデザイン(問題を捉える正しい表現を掴む)」と「視覚のデザイン(問題を解決するUI、UXデザイン)」の両面からアプローチするデザインファーム。