杉の角材を積み上げた箱型の家
建築家 藤本壮介氏による小さな週末の家、その名も「最後の木造住宅」
名前も去ることながら、実際の建物もインパクト大。
藤本氏の作品は、「家が本来どうあるべきか?」という基本的な疑問に対して、しばしば自身の遊び心でわれわれに問いかけてきます。
直径35㎝の大きな杉の角材を積み上げたこの建物は、木材が外観を形成するだけでなく、インテリアにも伸びて複雑な四角い室内スペースを作り出しています。
さまざまな木の表面は、テーブルやベッド、棚やベンチとして使用することができ、唯一事前に決め込んだ空間は下層の角にあるバスルームのスペースだけ。
家における「普通」とは一体なんなのでしょうか。
「床」「壁」「天井」決め付けない設計思想
藤本氏いわく「ここには床、壁、天井の区別はありません。床のように考えられる場所も椅子や天井にもなり、異なる視点からは壁にも変化します。フロアの階層も相対的なものであり、人がいる場所によって、さまざまな機能に気がづくことでしょう」
この興味深いコンセプトの家は、事前に室内空間が決められているわけではなく、空間に合わせた家具をオプションで付けられもしません。
閉所恐怖症の人には向かないし、鋭い木材の角に頭やスネをぶつけないように注意も必要です。
快適な住まいという言葉へのアンチテーゼと、遊び心が分かる人の短期滞在型住居なのかもしれません。
家とはなにか?
自分としての答えを一度考えてみましょう。
photo by Jeff Gaines
Source: SmallHouseBliss.
佐藤 駿 Facebook Twitter
デザインファーム【THE APP BASE株式会社】代表取締役/コワーキングスペース【DEN】管理人/未来の選択肢を共有するWEBマガジン【THINK FUTURE】編集長/欲しいものはつくろう、自分の手で。DIY写真.レシピ共有アプリ【HANDIY】運営
1984年9月27日生まれ。中央工学校建築設計科卒。3姉妹のパパ。
建築業界(現場監督、設計事務所等)→東日本大震災で価値感が大きく変わり、場所に捉われない働き方ができるIT業界へ転身。
起業と同時に東京から長野へUターン。長野でコワーキングスペースDENを始め、地方発の起業家を増やし小さな経済圏を構築、挑戦する人を増やす。
未来の選択肢を共有するWEBマガジン THINK FUTUREで新しいライフスタイルを提供。
スマートフォンアプリのデザインやWEBサービスのUI、UXデザインを主に手がけ、ひいては建築の意匠設計・地域デザイン等、「広義のデザイン(問題を捉える正しい表現を掴む)」と「視覚のデザイン(問題を解決するUI、UXデザイン)」の両面からアプローチするデザインファーム。