最近、アメリカで『オデッセイ』という映画が公開されました。
これは、火星に一人取り残されてしまった植物学者が、仲間たちが助けに来るまでの間、火星で自給自足をしながら暮らすというストーリーで非常に面白そうな映画です。
映画『オデッセイ』に登場する、NASAですでに研究されている9つの技術 via:wired
もし、あなたが宇宙で暮らすことになったらどうしますか?
どうやったら、酸素もない宇宙空間で生きていけると思いますか?…実は、そのための技術が現在各国で開発中なんです。
宇宙空間には大気が無いので、密閉された空間の中で全ての物質を循環させて暮らす必要があります。
そうした擬似的な空間を作るための施設が『バイオスフィア』です。
バイオスフィアとは?
簡単に言うと、「密閉空間の中に新しい世界を人工的に作る」ということです。
代表的な施設がアメリカのアリゾナ州の砂漠の中に建設されており、そこでは熱帯雨林や海、湿地帯やサバンナなどの環境を再現し、この中で自給自足の生活を送るための研究を行っています。
左から熱帯雨林温室、居住棟(タワーあり)、日周気圧調整ドーム(西)(2010年)via:wikipedia
アマゾンの新社屋はバイオスフィアのようなドーム形状で計画が進んでいるようで、屋内には大木が植えられ、創造性を刺激するスペースになる予定。
via:GQ
宇宙空間での自給自足を可能に
宇宙空間では、外での生活や外部からの補給もままなりません。
そのため、バイオスフィアではその施設の中だけで食べ物を作り、排泄をして、さらに有害な物質が溜まらないような生活をする必要があります。
それらを全て科学的な技術によって行おうと思うと、膨大な設備やエネルギーが必要となってしまうため、施設の中では自然の仕組みを利用した循環システムが作られています。
施設内に植えられた植物は、人間が出す二酸化炭素を吸って酸素を作ってくれますし、土とそこに住む微生物は、人間の排泄物を分解して植物が育つための肥料にしてくれます。
自然のサイクルがうまく機能すればするほど、そこでは人間も暮らしやすくなるということですね。
via:mailonline
アリゾナ州にあるバイオスフィアは見学ツアーも受け入れているそうなので、もし興味がある方は、一度訪れてみてはいかがでしょうか?
イーロン・マスクも農家を募集中
さて、このような宇宙空間での生活の研究は、現在様々な国において行われています。
オランダでは火星移住プロジェクトのため、火星に移住したいという人々の募集も始まりましたし、イーロン・マスク率いるあのSpaceXとGoogleが共同で作ったファンドでも、現在農家が募集され始めています。
いよいよ人類は宇宙進出のための準備を行うような時代になってきたんですね。
実は日本でも、青森県六ケ所村にこのバイオスフィアは作られており、そこでは閉鎖空間での生活の研究が行われているそうです。(※現在は休止中とのこと)
そしてこのバイオスフィア、完成すれば大気が汚染された状況だったり、水の中などでも生活することが可能になるため、人々の暮らしに様々な可能性が出てくるとも言えます。
これまでとは違う場所での生活を目的とした、このバイオスフィア。
もしかしたら、未来の居住空間になる可能性もあるかもしれません。
…これからのさらなる発展に期待したい所ですね。
なんかぶっ飛んでますが、自分で小さい惑星が作れたとしたら何をやりますか?
佐藤 駿 Facebook Twitter
デザインファーム【THE APP BASE株式会社】代表取締役/コワーキングスペース【DEN】管理人/未来の選択肢を共有するWEBマガジン【THINK FUTURE】編集長/欲しいものはつくろう、自分の手で。DIY写真.レシピ共有アプリ【HANDIY】運営
1984年9月27日生まれ。中央工学校建築設計科卒。3姉妹のパパ。
建築業界(現場監督、設計事務所等)→東日本大震災で価値感が大きく変わり、場所に捉われない働き方ができるIT業界へ転身。
起業と同時に東京から長野へUターン。長野でコワーキングスペースDENを始め、地方発の起業家を増やし小さな経済圏を構築、挑戦する人を増やす。
未来の選択肢を共有するWEBマガジン THINK FUTUREで新しいライフスタイルを提供。
スマートフォンアプリのデザインやWEBサービスのUI、UXデザインを主に手がけ、ひいては建築の意匠設計・地域デザイン等、「広義のデザイン(問題を捉える正しい表現を掴む)」と「視覚のデザイン(問題を解決するUI、UXデザイン)」の両面からアプローチするデザインファーム。