Tシャツを着る感覚で防弾チョッキ装着?ナノテク素材革命がもたらす未来

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新たな素材を研究開発し、市場に送り込むナノテク素材革命に注目が集まっています。

これまで人類が開発してきたものはプラスチックのように生分解しないものなど環境に悪影響を与えるものが主流でしたが、ナノテク素材革命により環境に配慮した高品質の素材の開発が可能になりそうです。

例えばバイオミメティクスと呼ばれる研究分野があります。

これは生体模倣技術とも呼ばれていて、自然界のモノを模倣して役立つものを開発する研究分野のこと。

ちょっと難しいですね。。

バイオミメティクスの分野でもナノテク素材革命が影響を与えています。

クモの巣が良例

クモの巣を研究している科学者たちはクモが作り出す糸が非常に強じんであることに気が付きました。

どれくらい強いのかというと、防弾チョッキにも使われているケブラー繊維の数十倍もの耐久性があります。

仮にサッカーのゴールネットと同じサイズにまでクモの糸を拡大できれば、飛行中のジェット機を捕獲できます。

これを応用すれば世界一軽くて丈夫な繊維が生産できるようになるということです。

ここはすごいヒントが眠っている気がします。

Tシャツを着る感覚で装着できる防弾チョッキを製作することも可能ですし、車や飛行機などのシートの素材として活用することで、飛行機や車の軽量化が実現します。

スパイダーマンのようにクモの糸で飛び回るといったことも可能になるかもしれません。

夢のような話に思えますが、2013年に日本のベンチャー企業がこの人工クモの糸の開発に成功しました。

「人工クモの糸」を製品化たらしめる「Spiber」とは何者か:ザ・ノース・ フェイス「MOON PARKA」
via:wired

研究者たちが利用したのが遺伝子書き換えによるたんぱく質の生産です。

クモは自力でたんぱく質をクモの糸に変換する能力を持っていますが、研究者たちは微生物にクモの糸と同じ材質の糸を出せるようにしました。

ナノテク素材革命は今まで私たちが知りえなかった新たな素材を開発する可能性を秘めていることをよく示しています。

ナノテク素材革命は環境保護にも役立つ

例えば土に埋めることで生分解するプラスチックを安く開発することも可能になるかもしれません。

そうすれば海に漂流しているプラスチックごみや無造作に捨てられているペットボトルもやがては土に帰るので環境を悪化させずに済みます。

私が期待するのは温暖化の抑制です。

インドや中国でのPM2.5の増加が国際的な問題になっていますが、ナノテク素材革命は今起きている環境破壊を食い止めるのに役立つものとなると思います。

科学者たちの不屈の努力と研究が生み出すナノテク素材革命は人類に明るい希望を与えてくれるものとなることでしょう。


Editors' Voice

佐藤 駿
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デザインファーム【THE APP BASE株式会社】代表取締役/コワーキングスペース【DEN】管理人/未来の選択肢を共有するWEBマガジン【THINK FUTURE】編集長/欲しいものはつくろう、自分の手で。DIY写真.レシピ共有アプリ【HANDIY】運営

1984年9月27日生まれ。中央工学校建築設計科卒。3姉妹のパパ。
建築業界(現場監督、設計事務所等)→東日本大震災で価値感が大きく変わり、場所に捉われない働き方ができるIT業界へ転身。
起業と同時に東京から長野へUターン。長野でコワーキングスペースDENを始め、地方発の起業家を増やし小さな経済圏を構築、挑戦する人を増やす。
未来の選択肢を共有するWEBマガジン THINK FUTUREで新しいライフスタイルを提供。
スマートフォンアプリのデザインやWEBサービスのUI、UXデザインを主に手がけ、ひいては建築の意匠設計・地域デザイン等、「広義のデザイン(問題を捉える正しい表現を掴む)」と「視覚のデザイン(問題を解決するUI、UXデザイン)」の両面からアプローチするデザインファーム。