種が取れたら2倍で返す「種バンク」
【臼井さん】固定種や在来種をきちっと保存しておきたいと思っています。
これね、種をみんなに少しすつわけると2倍にして返してくれるんですよ笑
どんどん増えてワラシベ長者ですよ!
【佐藤】種データベースがここにあるんですね!
【臼井さん】そうなんですよ!
ここ、屋根のぼってみましょうか。
一望できますよー。
バカなことやってるんですよ、楽しいですよ!
シャンティクティが遊び場であり、実験場
庭はね、畑であり、花壇であり、野菜があったり、森であり、多様性と多重性がこの庭にはあります。
【佐藤】シャンティクティ全体が、臼井さんの考える遊び場であり、実験場であり、臼井さんの考える地球なんですかね。
【臼井さん】そうかな。
ここはもう週3日くらいしか営業していませんので、ずっと遊んでますよ笑
遊び場だよ。
突然だけど、THINK FUTUREはさ、おしゃれでいいよね。
【佐藤】あざす!(笑)
【臼井さん】世の中の動きを作って行く力もある。
【佐藤】今はまだまだですが、思うことをどんどんアウトプットしていこうと思っています。
これから形態も変わっていくと思いますが、これが僕なりのアートだと思っています。
これからの働き方
【佐藤】個人的にお伺いしたかったのですが、企業の組織体系について臼井さんのお考えをお聞きしたいです。
【臼井さん】リーダー型は終わりかなと。それに代わる形態が必要。
全員が経営者のようなコーポラティブな形です。
自分たちの売り上げは自分たちで管理し、売り上げも経費もシェアしよう。
そうすれば週3日休んでもいいのではないかなと。
残りの日は違う形で、個人活動をしたりして稼いでもよし。
リーダー型→パートナーシップ型になるといいんじゃないかな。
【佐藤】ピラミッド型ではなく、有機的に繋がるリキッド化(固定的ではなく、緩やかに離合集散)な組織イメージですかね。
僕も同感です。
【臼井さん】ここはね、いろんなプロフェッショナルが集まるわけです。
なにかやろう!って時にはすぐに集まって形にする力がある。
お互いが自立していて、必要な時に集まるのが今の形態。
【佐藤】離合集散型ですよね。
職人さんみたいな。
例えば、今回はこのマンション建設案件があるから、マンション建設に強いあの職人さんを呼ぼう!ってことですよね。
その方が、僕もいいと思っています。
雇用はもちろん大事だとは思うのですが、本質的には「個」が強く、自立した人が増えないと国内の総力が上がらないと思うんです。
僕もそうだったんですが、正社員の時は収入が安定してる分、焦らない。
起業した当時なんて一瞬で会社が潰れそうになって焦って…(笑)
火事場の馬鹿力で踏ん張って、なんとか今につながっています。
でも振り返ってみると、一歩踏み出したことで相当なレベルアップをしていて、結果良かったと思っています。
【臼井さん】うん、そうだね。
自分の仕事、食いふちは自分で作る。
一つの「暖簾(のれん ブランド)」があればより動きやすいじゃないですか。
うちはそうしてますよ。
異業種が集まると面白いじゃないですか。
思いがけない「場」が生まれる。
【佐藤】僕もコワーキングスペースDENの運営をしてますので、その感覚は非常にわかります。
異業種の人が周りで普通に作業して、打ち合わせをしていると、耳に入ってくる雑音がある。
普通はうるさいと思うのかもしれませんが、そのノイズやワードが、自分の領域に引っかかる時があるんです。
僕は基本デザイン思考をベースに考えるんですが、異端なものをあえて入れ込むことによる化学反応って本当に面白い。
違う領域が被った箇所に価値がある気がします。
①持続可能 ②多様性 ③調和というキーワード
【臼井さん】そう、その被った箇所のことをパーマカルチャーでは「多様性」と言っています。
一つの色ではなく「多様」である。
多様なだけではバラバラだから「調和」する。
そしてそれが「持続可能」である。
あとは自然への配慮、人への配慮、余剰物の公平な分配が今欠けている。
ギブ アンド テイクではなく「ギブ&ギブン」です。
与えあうこと。
その中に生き方のベースがあるような気がします。
お互い与え合えば、お金のいらない世界ができる可能性がある。
【佐藤】「能力の物々交換」ということでしょうか。
評価経済社会のような。
【臼井さん】お金だと縁を切ってしまうんです。
お金を介さなければ違う形で返してくれます。
返ってこなければ「自分が徳を積んだ」と思えばいい。
何かの時にその徳が返ってくる。
クラウドファンディングも似てますよね。
僕は山小屋で働いている時に、人間関係はたくさんありました。
ゲストハウスを始める時にお金がなかったんですが、その人間関係があったから2500万円が集まったんです(笑)
一口5万円でみんなが出してくれた。
35年前にクラウドファンディングをやったんですよ(笑)
【佐藤】すげー!
【臼井さん】お金のない人たちは労力を貸してくれと(笑)
みんな手弁当で手伝ってくれました。
そんなのでやってこれた良さもあります。
本来、人間はお金ではないのです。
【佐藤】豊かさの基準って色々あるじゃないですか。
お金をいっぱい稼ぎたい人もいれば、時間がたくさん欲しい人もいる。
臼井さんの豊かさの基準ってなんですか?
【臼井さん】僕はね、「つながり」だと思ってますよ。
それさえあればお金いらないですよ!
インド、沖縄、鹿児島、新潟…と最近行っていました。
縁がうまれるんです。
お金をもらうところは、縁がうまれない。
お金で縁が終わってるんですね。
【佐藤】居場所がどんどん増えていく感じがしますね。
仕事とは、お金ではなく人の役に立つ事
【臼井さん】仕事って人の役に立つことですよ。
それが最終的にお金に繋がるのかもしれないけど、お金もらわなくても人の役に立つことはそこに人が集まってきます。
楽しいですよ!
今はインドのノコプロジェクトで、培ってきたものをシェアしています。
人間が手を加えると森が砂漠に向かっていく事が多いです
【佐藤】なるほど。
これから臼井さんは事業なのか、遊びなのかわかりませんが、何をやっていくおつもりなんでしょうか?
【臼井さん】今までは食うために色々やってましたけど、そういうものから離れたので誰かの役に立つことをもっとやっていきたい、そう思っています。
ここにいるだけではなくて、僕自身がどんどん出て行こうと思います。
繋がりがどんどん増えていけばいいよね。
今年は軽トラキャンパー、軽トラックにタイニー(小さな
風のように何
本当に自由です!!
【佐藤】はい(笑)
坂口恭平さんの0円ハウスのような生活ですよね。
すっげーな。
移動距離はアイデアに比例すると高城剛さんは言ってます。
お話を聞いていると「池と川」の違いのように感じます。
池のように流れが留まっているところは濁ってくるけれど、川のように流れていると水がクリーンに保たれる、そんな感じがします。
臼井さんが様々な場所に行かれるのは、ここの庭のように種を蒔く感じですか?
【臼井さん】男はね、種まきですよ(笑)
あっちいって種を蒔き、こっちいって種を蒔く。
女性は大地!
だから台風なような男でも大地がしっかりしてれば停まる。
それが「凪(なぎ)」ですよ。
そんな包容力のある大地であれば風はとどまりますね。
【佐藤】なるほどー!(笑)
いやー、「問い」が増えた。
今日は本当にありがとうございました!
Photo:Daisuke Ohki
臼井さんの豊かなインプット&体験を通じた言葉がとても印象的でした。
こんなライフスタイルも選択肢の一つとしてあってもいいかもしれない。
読者の皆様が何かをつかむきっかけとなる記事であれば嬉しいです。
臼井さん、ありがとうございました!


佐藤 駿 Facebook Twitter
デザインファーム【THE APP BASE株式会社】代表取締役/コワーキングスペース【DEN】管理人/未来の選択肢を共有するWEBマガジン【THINK FUTURE】編集長/欲しいものはつくろう、自分の手で。DIY写真.レシピ共有アプリ【HANDIY】運営
1984年9月27日生まれ。中央工学校建築設計科卒。3姉妹のパパ。
建築業界(現場監督、設計事務所等)→東日本大震災で価値感が大きく変わり、場所に捉われない働き方ができるIT業界へ転身。
起業と同時に東京から長野へUターン。長野でコワーキングスペースDENを始め、地方発の起業家を増やし小さな経済圏を構築、挑戦する人を増やす。
未来の選択肢を共有するWEBマガジン THINK FUTUREで新しいライフスタイルを提供。
スマートフォンアプリのデザインやWEBサービスのUI、UXデザインを主に手がけ、ひいては建築の意匠設計・地域デザイン等、「広義のデザイン(問題を捉える正しい表現を掴む)」と「視覚のデザイン(問題を解決するUI、UXデザイン)」の両面からアプローチするデザインファーム。